伊達の家

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Information

戸建て住宅

所在地:北海道伊達市
設計期間:2015.8—2016.8
施工期間:2016.12—2017.5
環境解析:中川純
構造設計:RGB STRUCTURE
施工:平口建設

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モノのレイヤーに住む

床や壁、屋根や天井といった建築のエレメントを高い解像度で見てみると、たとえば、壁は木造の場合、柱、断熱材、防水紙、胴縁、外装材、石膏ボードなどの、いくつかのモノが複合して成り立っていることが分かる。このように、建築の構成要素を、それ自体では意味を成さないモノのレベルに解体し、然るべき序列の下に一つ一つ再配置していくような緻密な編集作業として、建築の設計行為を捉え直したいと考えている。
この計画では、外壁や窓自体の性能を高めていくことで温熱環境を制御するような方法ではなく、日本の伝統的な建築の形式に見られるように、レイヤーを重ねていくことによって、住宅に求められる性能を担保したいと考えた。あらゆるモノが隠蔽されずに見えていて、立体的に併置されながら、さまざまな場所の質に寄与しつつ、温熱環境のレイヤーを形づくっている。具体的には、鉄骨造の躯体に折板屋根を掛けて、庭に面した妻側は単板ガラスのカーテンウォールで覆い、道路側は全面にポリカーボネートの波板を取り付けて、それ以外の平側の面にはガルバリウム鋼板の波板を張り、少し大きな領域を設定する。その内部には、凍結深度の分だけ地面を掘り下げつつ二層分の木造の軸組を立ち上げ、外側には構造用合板を張って、ボード状の断熱材で包み、開口部には複層ガラスのアルミサッシを取り付けて、相対的に小さな場所を囲い取る。この二つの領域は入れ子を成していて、これらの中間に位置する土間は、空気層として位置づけられ、外部の環境から居住域を守っている。この土間は、光で満たされた開放的な内部空間で、リビングルームの延長として、さまざまに使い方を喚起する場所である。また、道路側のポリカーボネートの波板には円形の禅窓が設けられ、リビングルームから土間を介して有珠山を臨むことができ、庭側には土間を貫通するように階段が自由に飛び出して、庭の木々を縫うようにして屋上のテラスに上がることができる。